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製造ブログ【圧縮コイルバネ編】

皆様こんにちは♪製造部の渡辺です♪いつも当ホームページを御覧頂き誠にありがとうございます♪
私のブログの当番になってから今日まで引っ張ってしまい申し訳ございません何かとバタバタとしており、ようやく久しぶりの更新が出来るまでになりました

弊社、阪神精密発条株式会社は2022年6月16日をもちまして会社設立55周年を迎えることが出来ました次は60周年を迎えられる様に従業員一同精一杯頑張っていきたいと思いますので皆様これからも弊社・阪神精密発条を宜しくお願い致します設立50周年の時は記念のパーティーを行いましたその時の様子は過去のブログでも書いていますので、良かったら振り返って御覧下さい

最近では新入社員も多く入って来て忙しいながらも日々楽しく仕事をしています。私は入社して17年程経ちますが、新人の頃は『バネってどんな風に作られているのかなぁと思っていました。コイリングマシンを触らせてもらうようになり、こういう風に作られていくのかぁと思ったのを思い出しました今回のブログは圧縮コイルバネが完成されるまでの流れを簡単にテーマにして書かせて頂こうと思いますので、どうぞ最後まで宜しくお願い致します

まず最初は…バネを製作する為の材料を準備します

材料と言ってもただの鉄ではありませんバネ用の材料でないとバネにはなりません力を加えると元に戻る弾性を利用したバネには、様々な材料が使用されます。主な3つの材料は硬鋼線、ピアノ線、ステンレス鋼線です。材料は用途とコストの2つの観点で選ぶのが一般的で、材料選択を誤ると製品トラブルの原因になるため注意しなければいけません使用目的に合わせて材料選択を行うことが大切なのです

今回製作品の一例として御紹介するバネは、線径はφ1.20mm、材質はピアノ線B種です。この材料で圧縮コイルバネを作っていく所や製造の流れ等を紹介していきたいと思います。人の手で巻いたり機械を使って巻いたり…と、巻き方や機械は様々ですが、今回は弊社の比較的最新のコイリングマシンを使って巻いていく様子を御紹介させて頂きます

こちらはスプリング製造マシンメーカーの板屋製作所PCX-12 というコイリングマシンを使い製作していきます
この機械についても過去のブログで紹介していますので、良かったら是非そちらも御覧ください

まずは線台に材料を載せて線材をマシンに
線台とは材料を自動で機械に送ってくれる機械で、製品に応じて送るスピードなどを変更出来たりコイリングマシンには無くてはならない物です

そしてこの材料をコイリングマシンの方に通して行きます。ストレートナと言う線癖を矯正するコロに通し次に送りローラーに圧力をかけて線を挟み、先端ガイドまで出していきます

ローラーと言うモノは材料に合わせて溝が出来ていて材料をしっかりと挟むことが出来ます

同様にコイリングピンにも溝があります下の写真がコイリングピンです

ローラーを通り先端ガイドまで材料を出したらコイリングピンの溝に合せて巻き付けていきます

この時に慎重に線を送らないと、場合によってはコイリングピンや先端ガイド等のツールが破損したりしてしまうこともあるので慎重に行っていきます

寸法通りに径が出る様にコイリングピンの位置を調整したりしながら密着でコイル径を出していきます

コイルの径が決まりセットが出来たら、ピッチツールを使いピッチを付けていきますピッチツールはマシンによって様々な形状があり、コイリングマシンによって形が変わったり、製作する製品によって使い分けたりします

製品に応じて中心径や巻数や自由長さが異なりピッチ幅も変わって来ます
そして今回巻けたのがコチラ

外径17.40㎜自由長88.0㎜総巻数17巻というスペックのコイルバネです研磨前ですが直角度も良く、我ながら綺麗に巻けたと思います
写真だけではイメージ出来にくいと思いますので、実際にコイリングしている所を動画で撮ってみましたので御覧下さい

そして次は製品を電気炉で熱処理しますテンパーというやつです

熱処理する目的は主にバネを成形する時に発生する残留応力を取り除き、寸法を安定させるのと材料の機械的性質(弾性限や耐力)を改善し、疲労強度を向上させる目的で行いますピアノ線は熱を加えると径が小さくなり、ステンレスなどは大きくなりますなので、巻き取る際にはそれらを考慮して巻いておかないといけませんそういう所も計算して最終的に指定された寸法通りに仕上げていくのです
圧縮コイルバネは両端を研磨して直角度を良くしたり、自由長や荷重を調整したりする為に行うことがあります
弊社では研磨機も大型から小型合わせて計9台あり、様々なサイズのバネの研磨にも対応しています

こちらは大型のレジノイドという砥石を使った研磨機で研磨をしている様子です

一個一個バネをブッシュに投入していきます火花も見えていてしっかり削れているのがわかりますね

こちらは出口側ですキレイに研磨されています

そして完成した製品が↓↓こちら↓↓じゃ~ん

この後に防錆処理を施したり、製品を鍍金したり黒染めしたりすることもありますお客様から指定された表面処理を行ってから出荷していきます
ここまで圧縮コイルバネの作り方や製造の流れを紹介して来ましたが、実際はもっと細かい作業などもあり、伝え切れていないことも多々ありますそれでも少しでも参考などになれば幸いです
私も今までたくさんの種類のバネを製作して来ました寸法も様々でセットするのに30分で終わるのもあれば5時間程かかる製品もありますし、毎回同じ形状、同じ品質で製作する事は難しい事だと感じていますシンプルな圧縮コイルバネの製作でも奥が深いと思いますだからこそ私も飽きずに楽しく取り組んで行けているのだとも思います

…という訳で今回のブログは以上になります今回の内容は【圧縮コイルバネ編】でしたが今後はまた違う種類の製品も紹介して行けたらと思っています。弊社のホームページにも色々な製品を紹介している『バネ製造品目』というページもあるので良かったら御覧下さい

最後まで御覧頂きありがとうございました

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